こんにちは。
趣味とは手間を楽しむもの。「全ての過程はご褒美です。」となるのが理想的ですね。ミニチュアゲームはそんな手間のオンパレードとも言える複合された趣味です。
組み立て、塗装、設定、対戦 …etcと様々な導入フックがあります。人によって最初に好きになるポイントが違うため、同じ趣味でくくられているようでも楽しむポイントや目的などが微妙にマッチしなかったりする事もあるようです。
今回の記事は、ヘヴィギアをゲームとして遊ぶ場合の攻略のヒントを紹介したいと思います。参考になれば幸いです。
◆ゲームの目的
勝利を目指しながらお互いにメカ戦闘ブンドドを楽しむ。
→ガチすぎないようにする。
対戦相手と顔を合わせて遊ぶゲームですから、そこら辺ちゃんと考えましょう。
手を抜くというわけではなく、最効率化された最適解をぶつけるのはただの”作業”になりがち。相手はCPUではなく人間ですので注意しましょう。
→設定重視しすぎないようにする。
オレのアーミーカッコイイ!しつつも、ちゃんとシナリオ勝利を目指せる要素を研究しましょう。
どうしても勝てない時、対戦相手がガチ編成のせいだからと思いがちですが、実は印象論や思込だけでモデルを漠然と動かしている場合があります。
このゲームは何をやるゲームでどのような運用が有効なのか?ゲームが終わった後に飯でも食べながら、自分の運用や編成のどんなところが悪かったかを対戦相手に聞いてみるのも良い経験値になります。
【ワンポイント】
対人ゲームは人間同士が対面する趣味です。生理的に合う合わないが必ずあります!そこらへんはもう、どうしようもないものですから、もしあなたが成人しているのなら上手く・・・穏便にね? たま~に時が解決してくれますが、「愚痴らない」「人のせいにしない」「ふてくされない」がうまくいくコツです。
◆スタンダードミッション
競技性の高い2人対戦シナリオです。4つの目標マーカーを争います。
シナリオで勝利を目指す:自軍の戦力を使用して3R以降のラウンド終了時に3つ以上の作戦目標を確保した状態で終了する。
戦力差をつける:相手の継続戦闘能力を奪い撤退していただく。
自軍エリアに1つ、中立地帯の左右に1つずつ作戦目標マーカーがあります。
自軍エリアの安定した目標マーカーを保持しつつ、敵の抵抗を排除して残り2つの作戦目標を狙ってゆく…というお題です。
戦闘に夢中になりすぎると3R目にサクっとシナリオ負けすることもある面白いシナリオです。
目標地点を巡る戦闘の結果、どちらかの戦力が戦闘継続能力を失い投了するという流れもよくあります。
様々な部隊と役割を考えて運用ができる競技性の高いよく出来たシナリオです。
・遮蔽物に隠れつつ遠距離から強力な攻撃をする射撃部隊(UA:FS、US:SK、UA:MT、UA:HT、UA:STなど)
・機動力や耐久力を生かして中立地帯の作戦目標を確保する部隊(UA:SK、UA:CV、UA:IN、UA:HV、UA:GPなど)
・相手より優位な位置を確保する山岳部隊やジェットパック部隊(UA:MT、UA:SKなど)
・側面や敵陣地に現れる奇襲部隊(UA:SF、UA:RCなど)
・攻めてきた相手を迎え撃つ格闘部隊(UA:RC、UA:EGなど)
・攻撃や防御を支える偵察部隊(UA:RC、UA:SFなど)
【ワンポイント】
もう一つのゲームシナリオとして提供されているアドバンスドシナリオは戦争の雰囲気を楽しむ雰囲気寄りのゲームになります。
勝利条件がランダムで決まってしまうので、競技性は薄れますが、混沌とした戦争感を味わえますので、ゲームに慣れてきたらストーリー仕立てで遊ぶのも面白いと思います。
◆戦いのセオリー
勝利を目指すにはどうすればよいのかをまとめてみました。
・行動前のモデルから狙おう
ヘヴギアは交互にユニットを動かしてゆくゲームです。戦う展開の理想は、相手の強そうなモデルが攻撃を開始する前にクリップル(大破)させたり倒すことになります。自分の番が来て行動に困ったのなら、相手にとって重要そうなモデル(攻撃力が高い武器を持った機体や偵察機など)行動前のモデルから狙うようにしましょう。UA:GPやUA:INなど、戦闘力の低い敵モデルはAEやSpritの武器で”ついでに”狙う程度で良いと思います。もちろん相手のシナリオ勝利に関わるような場合はこの限りではありません。
・自分の判定ダイスの数を増やすように行動しよう
ダイスの数が増えるだけ、高い出目が出る確率が上昇し、スキル補正が生きてきます。
武器やモデルの特徴を検討し編成時からどうやって判定ダイスを稼ぐのかを考えて組み立てましょう。ゲーム中は位置取りや行動選択でもダイスを稼げます。
例:敵の背後をつけば攻撃ダイスが増えるし、(相手が持っている場合)盾も無視できるようになる。
・相手の判定ダイスの数をへらすように行動しよう
対抗判定の場合、相手のダイスが減るほど、こちらが優位になります。相手の地形的な優位を奪える位置取りや、ECMアクションで相手の使えるダイスを奪いましょう。
自分のモデルを動かすときは、相手が得ているダイスボーナスを使わせない方法を検討しましょう。
・ターゲットに合わせて武器をしっかり使い分ける
装甲の高いモデル、ポイントの割に数が入るモデル、通常の武器では大きなダメージを与えることが出来ないインファントリーモデル、空を飛んでいるモデルなど、攻撃する対象により有効な武器が変わります。
武器の使い分けの項目で紹介します。
・特殊配置を使いこなせ
遮蔽物に守られた長距離射撃ユニットは厄介な攻撃拠点になります。向き合って射ち合うだけでは相手の攻撃拠点を崩すのは難しいでしょう。そんなときは特殊な初期配置方法を検討してみましょう。
・モデルの特徴で優位に立とう
モデルの特徴は、戦術(どのように戦うか)の幅を広げてあなたの戦いを助けてくれるでしょう。
相手より先攻権利を得やすくなるINIT:X、電波妨害や防御フィールドなど専用のECMアクションを可能にしてくれるECM、移動を助けてくれるJJやJPやCrimberなどの移動補助装置など、ヘヴィギアには様々なモデルの特徴が存在します。
例:三次元移動を可能にするジャンプジェットは水平+垂直方向への高い推力を持つロケットブースト移動ができる。
・リロール権を有効に使おう
CP(コマンドポイント)やSP(スキルポイント)を使用すれば失敗した判定もリロールできます。CPとSPはラウンド終了時には自動で全回復するので積極的に使ってゆきましょう。上手く機能すれば致命的なミスは回避され、相手に対して優位を保てるでしょう。(当然リロールの結果、目も当てられない事故も起きます。運命を楽しんでください!)
◆武器の使い分け
・PEN(攻撃力)が相手のAR(装甲値)以上になるような組み合わせを目指す。
セオリーとして、使用する武器のPEN(攻撃力)以下のAR(装甲)値のモデルを攻撃しましょう。攻撃が命中すれば確実にダメージに繋がります。
ARの低い偵察機には歩兵用武器も有効な場合があります。
通常、使用武器のPENよりARが2以上高いモデルを狙ってもダメージが望めません。
→例:PEN7のMAC(ミディアムオートキャノン)はAR6のイエガーに当たれば必ず1ダメージ以上を期待できるが、AR9のキングコブラに対して攻撃と防御判定の差に3以上の差が無いと1ダメージが与えられない!
・AR9より以上の目標にはAP(アーマーピアッシング/装甲貫通)の特徴を持つ武器が有効!
AP:xはもしダメージが出なくても、命中差額をダメージにつなげることが出来ます。基本的には1~2ダメージの削りができれば上等くらいの装備ですが、上手い条件が揃えば恐ろしい効果を発揮するかもしれません。
硬いモデルを攻撃する場合、APは3もあれば十分です。2~3回の攻撃を集中すれば、相手の装甲値に関係なくクリップル(大破)まで追い込めるでしょう。
対象がフィールドアーマーを装備している場合、AP:1の攻撃を何度も当てて削ったほうが早い場合もあります。
APは差額でダメージを与えるルールなので、攻撃ダイスが多く無いとその特徴を発揮しにくいのが欠点です。追加のダイスが得られる高所の確保や背後からの攻撃を心がけましょう。
同じように有効に使うことが難しい武器ですが、F(ファイア/炎)、C(コロージョン/腐食)、H(ヘイワイヤ/撹乱)効果を持つ武器で削る手もあります。これらはAPの武器よりPENが低いので汎用性が低いのが難点です。
→例:PEN7のLBZ(ライトバズーカー)にはAP:2の能力がある。AR9のキングコブラに対して攻撃と防御判定の差に1以上の差があれば、APの効果で1~2ダメージを与えられる。
・TYPE(モデルの種別)がインファントリーの目標にはAI(アンチインファントリー/対人用武器)の特徴を持つ武器が有効!
装甲が弱く、H/Sの値が少ないインファントリーですが、どんな強力な攻撃を受けても1ダメージしか受けないというルールがあります。(攻撃を受けた時、一時的に身を潜めたり散り散りに逃げてしまうため。)
AIの効果がある武器は、インファントリーにも通常の手順で複数ダメージを与えられるため、排除に役立ちます。
中でもインファントリーに対して+2D6の命中ダイスボーナスが得られる弾を選択できるFC(フラグキャノン/大型ショットガン)は最強の対人兵器と言えます。
弱い歩兵に戦力を割くのはイマイチなので、ついでの仕事ができる低コストの量産ギアやインファントリー同士の戦闘が望ましいと思います。
・BlastのあるAE武器の活用
Agile(アジャイル/機敏)のある小型機は移動力も高いため地形を活かした立ち回りが得意です。遮蔽物に隠れたAgile機は普通の攻撃では撃退しにくい厄介な相手になります。そんなときはAE+Blastの武器の特徴を活かしましょう。Blastの効果で着弾地点からAE攻撃が発生するので「いい感じの地点」に攻撃できれば地形の回避ボーナスをなくせます。
この組み合わせの武器はインダイレクト武器が多いので、ポースチャー(行動選択)の宣言時に「アクティブセンサー」をし忘れないようにしましょう。
AE武器はどんなにマイナス修正を受けても1D6で判定ができるので、距離や移動速度を気にせずあたったら儲けものの気分で使用できます。
GM(ガイデッドモーター)はTDがあるなら地点攻撃ではなく相手を狙ったほうが命中が高い場合があります。たとえTD:1でもしっかりと手順を踏めばインダイレクトによる命中修正がなくなった上でTD:1が乗るので実質+3Dくらいの補正になります。相手が得られるカバー修正と比較して考えてみましょう。
◆アーミー編成時のバランスを考えよう
・目標確保のために必要なモデル
AR(装甲値)とH/S(耐久力)の両方の能力が高いビークルは、きちんとした対策がない相手には排除が難しいモデルになります。上手く使えれば頼もしい確保要員となりますが、遮蔽が活かしづらく、格闘戦に弱い傾向があります。このため弱点をしっかりついてくる相手には意外とあっけなく壊されてしまうでしょう。
インファントリー種別で高い移動力を持つバイク兵は最も優れた確保要員となります。攻撃力には期待できませんが対人攻撃をしのぎきれるならば十分な働きを見せるでしょう。
空挺能力のあるインファントリーをSU(サブユニット)で使うことで目標確保を狙うことも出来ます。エアドロップ配置の歩兵はInit:6+で到着判定をしなければならないので戦場に現れにくく、3R目に戦場に遅延して現れるでしょう。このため攻撃対象になりづらく、敵陣深くまで浸透できる歩兵はバイクに並ぶ確保要員になるでしょう。
・AR9以上のモデルを無力化する手段
PEN9を超える武器をモデルモデルは多くありません。このため、装甲値が高いモデルのなかでもAR9を超えるモデルは、普通の武器で攻撃してもダメージを与える事が難しくなります。
相手の重装甲モデルを倒すのが難しい場合は、電子戦を強化してラウンドの早い段階でECMセンサージャミングをかけるだけでほっておくのも一つの手です。相手の攻撃ダイスがさがるので脅威度が低下します。
・電子戦への対抗策
重装甲のモデルといえども、ECMアクションを上手く使われると、1Rで破壊されてしまうこともあります。防御ダイスを減らされてしまうと、攻撃と防御の命中差が直接ダメージに直結するAP:Xの特徴が生きるためです。
このため、相手のECMセンサージャミングの妨害行為にどのように対抗するか(または全くしないのか)を判断して偵察モデルを選別しましょう。
重装甲モデルの6”にベテランスキルのEWスペシャリストを持ったECCM装備の電子戦機が居ると、一気に防御力が上昇するでしょう。
◆どう攻めるのか?
・まずはシナリオで負けないこと
シナリオの勝利条件を読み解くならば、自分が作戦目標2つを確保している限り、対戦相手は絶対にシナリオで勝つことが出来なくなります。確保が無理な場合でも最低限2つの作戦目標を邪魔できていれば、即座に負けることはないでしょう。このため、自軍エリアの作戦目標と、左右どちらか1つの作戦目標を抑える方法を考えましょう。
・地形を活かす!
カバーによる防御ダイスはモデルの生存力に直結します。たとえベストな位置で攻撃できそうな時でも、攻撃モデルはカバーの防御修正が得られる状態を維持できるように動きましょう。
相手の背後に回り込めれば、相手はカバーを失い、背後からの攻撃ボーナスがはいるので戦闘は一気に楽になります。地形に隠れながら上手く近づいて背後を目指しましょう。
しかし一番は、相手より先に高所を確保することが重要になるでしょう。高所の条件を満たせる場合、地形防御の恩恵を受けながら、攻撃ダイスも増えて、色々なモデルを攻撃できる視界が得られるでしょう。さらに、一度高所を確保できば移動の必要が無い場合が多いため、ブレイスド(フォー・ファイアリング)ポースチャーとの相性も良いです。つまり、相手より先に高所を確保できるかと、高所を確保した相手を排除できるかどうかで対戦全体の流れが変わってくるのです。
(例:相手モデルのシルエットよりも高い位置に居る場合にしか高所とみなされない。)
・側面をつけ!
UA:RCに分類される偵察機と、モデル特徴のステルスを持つモデルは、1R終了時に必ず戦場の側面から到着できるフランク特殊配置が可能なユニットです。1R目に前進しすぎた敵を背後から攻撃したり、移動力の高いモデルでフランク配置をすれば即座に格闘戦にも持ち込めるため戦局を変える1手になるかもしれません。中立地帯の作戦目標を確保/邪魔にも役立ちます。
一方でAirdrop(エアドロップ/空挺)配置はリターン(戦果)よりもリスク(損害)のほうが高い選択肢といえます。空挺部隊は「事前にここからくるよ」という事が提示され、さらには地形ボーナスが利用できない位置に降下するため、生存率が非常に低い部隊です。また、到着判定があるので攻撃部隊として使いたいならばイニシアチブが無いと上手く活かせないでしょう。しかし、降下させるモデル次第では囮として機能するかもしれません。その場合は遅延することを前提で作戦に盛り込む必要があります。
・高所の取り合いを制する!
ジャンプジェット、クライマー、ジェットパックがなくても上昇したVTOL機ならば高所を陣取るモデルを牽制できます。自分のアーミーでなにかできるのか有効な手段を考えましょう。
・ECMで電子戦を制する
ECMアクションはECMを装備した電子戦機だけが使用できる特殊行動です。この特殊行動は戦いの幅を広げてくれるだけでなく、ヘヴィギアをよりミリタリー色の強いミニチュア対戦ゲームにしてくれています。
中でもECMセンサージャミングは対象をクリップル状態にできるため、戦闘力を一時的に奪う牛歩作戦にも使用できます。
偵察機を中心に防御ダイスを増加させるECMディフェンスはECMセンサージャミングの対抗判定にも有効なので、ECMセンサージャミングの攻撃対象になりやすい重装甲の大型モデルを守る事に向いています。
ECMを必要としない特殊なアクションには味方のECMアクション/ECMへの対抗判定を助けるコムズブーストがあります。コムズブーストを使うにはフォーメーションの制約はありますが、上手く使えればECMアクションで相手より優位に立てるかもしれません。
・クリップル(大破)しても諦めない
クリップルしたモデルには大きな行動制約が付きますが、生き残ることで目標確保に貢献したり、必ず攻撃ダイスが1D6あるAEウエポンを上手く活用できれば活躍の目はあります。相手が出目1を出してしまったのならば逆転勝利の目は残っているのですから。
・各個撃破には試行回数が重要
地形に隠れた偵察ギアを攻撃しても連続して避けられてしまうことがあるでしょう。それでも諦めずに手数を集中することが大事です。シナリオ上有利になるためには狙った獲物は確実に仕留めてゆくようにしましょう。相手よりなるべく多くダイスを稼ぐ、または相手と自分のダイス差を埋めて、弱体化した狙いやすいモデルから各個撃破に努めてゆきましょう。
これらを考えながら編成や増強計画をたて、実戦を通じてまた新しい編成を試すという流れが非常に充足感を与えてくれます。
楽しいひとときのお手伝いができれば幸いです。2018.05.06 AM1:10 追記+修正