ヘヴィギアのミニチュアゲームに興味がある人向けのざっと紹介:re1

180717加筆修正

★どんなゲーム?

ミニチュアゲームのヘヴィギアは10~20体ほどのミニチュアを使用する戦闘メインのゲームです。
ギアと呼ばれる人形兵器を主軸にアーミーを編成し、射撃戦や電子戦、ときには格闘戦なども駆使して勝利条件を目指します。
入り組んだ戦場でいかに優位なポジションを確保し戦闘の支配権を握るかを楽しみます。
歩行や車輪装甲の移動方式、センサー範囲に敵を捉えたミサイル誘導など、近代的なミリタリー色の強い戦闘システムがシンプルにまとめられており、模型を使った戦闘の醍醐味を味わえます。

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★世界観の概要

西暦5000年くらいに地球人はゲートシップ航法により9つの星系に移住し、地球を中心た植民惑星をかかえていましたが、5800年くらいに政治的ないざこざで植民地と連絡途絶。

物語の舞台は西暦6200年くらいの植民惑星のうちの一つ惑星テラ・ノヴァです。

地球政府の政治的混乱で500年ほど放置される間にテラ・ノヴァは独立して独自の歴史を歩みます。

その後、戦争をしながらなんやかんかで、南の独裁国家サウス、北の大国同盟ノース、赤道の小都市防衛同盟ニュコール、惑星規模の死の商人ピースリバーという感じの勢力に分割されました。(あと対CEF用の特殊部隊ブラック・タロンとその他の小規模勢力リーグレスとう選択肢が入ります。)

テラノヴァが南北に分かれて戦争している間に、地球は再びかつての植民地を併合しつつテラノヴァにやってきました。テラノヴァ人は自分たちの独立のため協力してなんとか1回目の侵略を阻止できました。地球はCEF(植民地拡張軍)艦隊を使って企業が支配する鉱山惑星カプライス、根絶戦争中であったユートピア、やや時代遅れのエデンなどを再併合しております。

西暦6150(テラノヴァ歴1950)くらい。2回めの侵略軍がテラ・ノヴァに来て早くなんとかしないとあかんぞ!というのが今作ゲームの時代背景です。

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★勢力の紹介

■勢力名称「ノース(THE CONFEDERATED NORTHERN CITY-STATES/CNCS])」

・設定   :テラノヴァ北部の都市同盟
・立ち位置 :ベーシックな勢力だが、一部に排他的な教条主義者がいる。やや良い側ポジ。
他勢力とは同盟を組んでいない。

▼ゲーム上での戦法
バランス型で商品ラインナップが豊富なので大体の戦法が試せる。

▼得手
縦深攻撃が行える空挺部隊の種類が豊富。
世界最高水準の機動力を持つ偵察機がいる。
偵察機の探知範囲が広い。
高所確保が得意な山岳部隊も豊富。
ミサイルやバズーカ、野砲など実弾兵器の火力が優遇。
ヤバイ長距離砲HAGを射撃できるモデルが2種類も存在。

▼不得手
レーザー兵器の充実度はサウスに劣る。
軽戦車はサウスに見劣りする。
ストライクギア(次世代量産機)の完成度がやや悪い。
電子戦の成功率はサウスにやや劣る。
他国との同盟した遊び心のある編成が無い。

●モデルのラインナップ
フロントミッションのヴァンツァーを彷彿させるやや無骨で角ばったデザインの傾向。
機体の愛称に猫科の野生動物の名称をつける傾向。
かゆいところに手が届く編成が可能で、役割に応じた様々な機種を有する。

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■勢力名称「サウス(THE ALLIED SOUTHERN TERRITORIES [AST])」


・設定   :テラノヴァ南部の独裁国家と属国
・立ち位置 :ベーシックな勢力でとにかく兵器の種類が豊富。やや悪役ポジ。
他勢力とも同盟を組みニュコールの次に制約が緩い。

▼ゲーム上での戦法
バランス型で商品ラインナップが豊富なので大体の戦法が試せる。(その2)

▼得手
サブリストを使用した編成方法で、全勢力で1-2を争う強力なサブリストSRA編成を有する。
レーザー系兵器が多く有し、最高水準の強武器を持ったモデルがいる。
モデルの種類が最多で編成幅の広さがいろいろ。
次世代量産機ブラックマンバ、電子戦機イグアナ、フン軽戦車、タイタンVTOL機など完成度が高いモデルが多い。
世界最高水準の誘導装置TD2を所持。

▼不得手
山岳部隊を有さないため、高所の確保が難しい。
実弾系射撃武器の火力がノースほど高くない。
大型誘導ミサイルなど、強力な誘導兵器が不足。

●モデルのラインナップ
ボトムズのATを彷彿させる無骨で丸みのあるデザインの傾向。
機体の愛称は爬虫類系が多い。
モデルの種類は全勢力最多!かゆいところに手が届く様々な機種がいる。

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■勢力名称「ピースリバー(PEACE RIVER)」


・設定   :テラノヴァ荒野の巨大兵器会社パクストン社の所有する都市
・立ち位置 :どちらにも与する中立勢力。死の商人的なポジション。
他勢力とも同盟を組むがニュコールとは仲が悪い。

▼ゲーム上での戦法
電子戦で相手を弱体化して高火力の偵察機で上手く奇襲を仕掛ける。
大型兵器を導入しないと火力不足になりがち。

▼得手
戦闘力が高めのRC(偵察)部隊が多い。このため特殊配置でアドバンテージが取れる。
ほとんど電子戦機!ECMを装備している機体が多くだれでもサポーターになれる(かもしれない)
高性能ストライダー。重装甲の歩行戦車が優秀。

▼不得手
山岳装備がないので地形を活かしにくい。
戦車がいないので装甲はストライダー任せになりがち。
ギアの火力が低めなのでストライダーがいないと決定打にかけやすい。

●モデルのラインナップ
アーマードコアを彷彿させる未来的なデザイン。
兵器の名称は地球の古代文明の兵種に由来した兵器名称が多い。
現段階では空挺部隊や高火力のストライダーが未発売なので戦術幅が限られる。
2018年のKSが成功に大きく期待!

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■勢力名称「ニュコール(THE NEW COALITION[NuCoal])」


・設定   :テラノヴァ赤道にある中小都市の防衛協定。
・立ち位置 :中立勢力。新時代を築く次世代の芽ポジション。
生き残るため様々な同盟を組む。

▼ゲーム上での戦法
JP(ジェットパック)を使用した攪乱戦法が得意。地形を三次元的に活かした戦闘で優位に立てる。
CEFやサウスのホバー戦車が使用できるので機動力と火力を活かした戦術も組める。
一癖ある歩兵が多いので、上手く行かせれば優位に動くかも。

▼得手
編成の自由度ナンバーワン勢力。
歩兵の種類が豊富。電子線やミサイル誘導、指揮などのこなす小粒でもぴりりと辛いパワフルさ。
CEFやサウスのホバー戦車が併用できるので、高機動、高火力を有する。
全体的に移動力が高い!戦場を駆け抜けろ!

▼不得手
ギアの火力が低めなのでストライダーや戦車がいないと決定打にかけやすい。
レーザー兵器不足。長距離での命中精度がやや不安。
空挺部隊や奇襲部隊など特殊配置能力が弱い。戦術的な幅で苦しみがち。
ATMと範囲殲滅兵器の選択肢が少ない。

●モデルのラインナップ
Z時代くらいのモビルスーツを彷彿させる近代的なデザイン。
兵器の名称は中世フランス時代の兵種に由来した兵器名称が多い。
現段階では空挺部隊やヴェテラン専用機が未発売なので戦術幅が限られる。
2018年のKSが成功に大きく期待!

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■勢力名称「ブラックタロン(BLACK TALON[BT])」


・設定   :国家の枠を超えた惑星テラノヴァのために働く特殊部隊。
・立ち位置 :侵略者に立ち向かうために情報収集や破壊工作を行う隠密部隊。ヒーローポジション。
最新兵器で固めた超エリート特殊部隊。

▼ゲーム上での戦法
JP(ジェットパック)を使用した攪乱戦法が得意。地形を三次元的に活かした戦闘で優位に立てる。
モデル数は少数だが、2回行動できるモデルが多く、手数が凝縮されているので、一気に攻め潰す事ができる。
全てのモデルがヴェテランなので判定の振り直しができるのでアンダーが安定する。

※運用上の注意
がっつりやるとやりすぎちゃうのでほどほどゆるく遊んでください。

▼得手
少数精鋭、高機動高火力を地で行く部隊。
テラノヴァ全勢力いいとこ取りのすごい電子戦機がいる。ヤバイ。
空飛部戦車みたいな武器庫みたいな火力支援機がいる。ヤバイ。
スキルポイントで振り直しできるので多少のミスは力押しできる。
ステルスを上手く使えれば生存率も高い。
世界最強の指揮官機オウルがいる。

▼不得手
コストが高めなので1機やられると戦力ががくんと落ちる。
目的をはっきり持って運用しないとただの少数部隊になりがち。
強襲が本懐の部隊なので拠点防御には向いていない。
コストの割には戦闘力が低い(行動回数が1回の)かわいそうなハズレモデルが居る。

●モデルのラインナップ
アーマードコアを彷彿させる未来的なデザイン。
鳥類に由来した兵器名称が多い。
モデルの種類が少なめ。

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■勢力名称「CEF(COLONIAL EXPEDITIONARY FORCE[コロニアル・エクスパンディショナリィ・フォース])」


・設定   :地球軍遠征部隊。一度植民地を失った地球が500年ぶりに各植民地へ再征服を開始。
・立ち位置 :テラノヴァを襲う悪の侵略者!地球人だけど異星人ポジ。
遺伝子改良が施された使い捨ての超人歩兵とホバー戦車を主軸とするハイテク兵器軍団。

▼ゲーム上での戦法
ほぼすべての兵器が高性能のレーザー兵器を標準装備しており、遠近両対応ができる。
重装甲のホバー戦車で敵を崩し、バトルフレーム(ギアを模して作られたロボ)でとどめを刺してゆく。
戦闘力の高い歩兵で確保を狙う。
ステルス部隊で奇襲を成功させるのが鍵。

▼得手
ほとんどのモデルがジャンプジェット(JJ)やジェットパック(JP)の特殊移動方式を持つ超高機動アーミー。
その兵器も偵察型、対装甲型、近接支援型の3バリエーションを用意できるため汎用性が高い。
遺伝子改造兵を使用しているので歩兵が強め。
レーザー兵器を備えたホバー戦車が主力。
世界最高性能の電子戦型ホバー推進式装甲車両を有する。

▼不得手
接近戦能力がほぼ無いので近寄られると困り気味。戦車で前に出ると背後(弱点)が取られやすい。
人型兵器バトルフレームの装甲値が低い。
高性能歩兵がコスト高め。
強力なミサイルがあるがセンサーレンジが狭いため誘導兵器を活かしにくい。
兵器名称が型番なので覚えにくいしわかりにくい!

●モデルのラインナップ
頭をもいだオーガスを彷彿させる昔アニメなデザイン。
全部型番!無機的な印象。
全体として似たり寄ったりの性能なのでUA(ユニットアヴェイアリティ/兵器の役割)で判断するといい。

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■勢力名称「カプライス/カプリス(CAPRICE)」


・設定   :再征服された植民惑星の一つ。徴集兵。
・立ち位置 :仕方なく従軍する異星人メカ。宇宙人の特殊兵器ポジ。
多脚戦車を中心とした近距離戦闘型ロボの軍団。

▼ゲーム上での戦法
後面がなく、登坂能力があるマウントのルールで戦術的優位を安定して維持できる。
コスパの高い兵器が多く、正面から行って背後から射撃をすれば押しつぶせる。(将来的には修正あるかも?)

※はじめて遊ぶ場合の注意点
 友人たちと数人で各アーミーのスターターボックスを1箱買って遊び始める事を想定した時、カプライスを購入した人だけが「重装甲」「高火力」「長射程」「高命中」「2回攻撃」ができるのにほどよいコストで入る「アモン」という強めの機体をカプライスのスターターボックス1箱で5機作れてしまうことで、プレイヤー間のバランスが大きく崩れてしまうのではないのか?という事を心配しております(そんなの”おおきなおせわ”でもあるのですが^^;)。このアモンを破壊するにはデータとルールの読み込みが必要なので、他のスターターボックスで作る機体では上手くやらないと破壊しにくいため、初心者だけの卓でアモンを使う場合、カプライスプレイヤーが悪目立するのではないか?という主問題と、ボディ15機分に対してアシが5期分しかついてこないので、アモン以外の機体を作ると1箱では150TVにならないので他のプレイヤーと同じ投資額で始められないという懸案事項があります。アモンは固定砲台型の機体なので、初期配置で見晴らし位の良い高台に陣地を構え、遮蔽物ごと敵のギアをふきとばしてゆくけど、敵の攻撃は装甲で無効化、確保のために前には出ることはなく射撃砲台になる、頑張って近づいてもどうしょもなく硬いのでこれどうすんだ?展開になると思います。

▼得手
背面(弱点)のペナルティがないので安心して前に出れる。格闘可能で装甲と耐久が高めなので、射撃と格闘の両方の攻撃に対して安定した防御力発揮する。コストがそんなに高くないので数も揃う。
連射可能な近接武器ロータリーキャノン(RC)が多いので近づけば火力が伸びる。
アモンはスターター環境だと対抗手段が限られるので選択肢が少ない初心者同士で遊ぶ場合は100TVにつき1機くらいの縛りが指針。対戦相手と遊びつつ解放してゆく感じを推奨したいです。もちろんケースバイケースですけどね。

▼不得手
電子戦。センサーレンジが低め。

加減!
・カプリスの最大射影72”ある長射程武器は強力なものが多いので、始めたての頃は入れすぎを気にしたほうが、相手も楽しく遊べるかも。
・強めの性能のアフェク/カダッシュがパッとしないくらいに他が良い。
・スターター1箱で150TV組もうとするとパンチの効いた編成にしかならないのが残念。スターター箱は15機組めるボディに5機分の足しか入ってないためメーカー個別注文で「足」を買っておきたくなる。
●モデルのラインナップ
4つ足だらけの歩行戦車アーミー。無骨な歩行戦車!
兵器名称の由来は地球になる古代都市の名前からとっている様子?

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<番外編>

おすすめしにくい勢力があと3つあります。

「リーグレス」
テラノヴァの同盟に属さない”その他”のあぶれ者たちで、盗賊団や砂漠の独立国家を遊ぶための編成リストです。ノース、サウス、ピースリバー、ニュコールに所属するエリート機以外のモデルが使えるため、自由すぎる編成ができます。使えるデータの把握が難しいのと、国をまたいで好きなものを組み合わせられるので各国の良いとこ取りできるので、ある程度ゲームになれてから手を出すことを推奨。ロールプレイよりに作成されたリストのためアーミーリストのデバッグが薄いため、最適解をだすよりもどちらかというとやりすぎないようにある程度加減して世界観を楽しむ事を推奨したい。なれた人向けアーミー。

「ユートピア」
小型ドローンを使役する連中。指揮用の中型機と、低コストの武器運搬ドローンで構成された数の優位で押すアーミー。しかし、武器運搬ドローンの性能が低く、範囲攻撃で狙われると数の優位が崩れやすい。現時点では未所持、対戦未経験なので細かい紹介ができませんがクセの強いアーミーなので使うのが難しそうです。

「エデン」
ルールブックには乗っているものの、紹介されているモデルは見た目がほぼ同じの小型のパワードスーツモデルが3種類しかないため現時点では設定だけの連中。今後の展開に期待してください。

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★ゲームの概要

・プレイ時間は長め。じっくり戦闘経過を楽しむタイプ。なれないうちは100TVの戦闘で3時間くらいかかると思います。大規模の300TVで遊ぶようになると6時間位かかります。(TV=スレートバリュー=脅威度→ヘヴィギア世界の編成ポイントの名称)

 

・プレイヤー同士の先行権は、毎ラウンドの開始時に指揮官の能力値判定で決めるランダム先行型。これによりどちらが先制できるかわからない緊張感がある。指揮官機が破壊されるとイニシアチブで負けやすくなるのでこれも戦術要素になる。

 

・自分の番になると、未行動の自軍「コンバットグループ(4~6モデルで構成された部隊)」を1部隊指名し、1モデルごとに動かしてゆく。先行プレイヤーが選んだ順番で、交互に交代してプレイする。全部のコンバットグループが動けばラウンド終了。コンバットグループの作成は自分で役割を設定した編成枠を埋めてゆく方式だが制限が緩めで自由度が高い。さらに役割の違うサポートユニットを付けられるので編成幅=戦術幅がたくさんあるのが魅力。

 

・ダイスの計算方法が少しだけ特殊だが、解決方法はシンプルで双方の出目を比較して高い方が勝利する一般的な方式。難易度の変化=ダイス数の増減で解決。視界はモデルに設定されたシルエットで解決。

 

・見えない敵をロックオンできる「センサーレンジ」という概念を導入しているため、センサーの探知範囲ならば見えない相手とも戦闘が発生!ビル越しの射撃戦など胸熱展開を堪能できます。ゲーム的にもシンプルで、モデルに設定されたセンサーレンジをメジャーで計測し、そこに敵がいればその敵は「見えているもの」として扱うだけ(狙われた方は地形の回避ボーナスがもらえる)。単純ではあるが、これだけで他のミニチュアゲームにはない近未来ミリタリー戦闘感覚が得られる。

 

 

・敵を倒しつつ、決められたラウンド内でシナリオで指定された勝利条件を目指す。最初のうちはルールブック4章にある「ベーシックシナリオ1」を推奨。このシナリオは競技性を重視した公平感のあるわかりやすいシナリオです。戦場に設定された4つの目標地点のうち、3箇所を確保すれば勝利。邪魔する敵を排除しつつ目標地点の6”以内に入らないと確保にならないので動きのある戦闘を楽しめます。


【Caution】ここからは、ゲームを何回か遊んだ人向けの少し突っ込んだ話になります。



★ベーシックシナリオ1を遊ぶ
競技性の高い(コンペティブな)ベーシックシナリオ1で遊ぶ場合、戦場に分布した4つの目標地点のうち3箇所を、3ラウンド目に確保できれば勝利になる。
この目標地点初期配置エリアに1つと、戦場の中央ライン上に2箇所あるため、前に出ることが要求される。
このため、アーミー編成は機動力、耐久力、排除能力のバランス確保が大切になる。

言い換えるならば、3箇所のウチ2箇所を抑えておけば負けることはなくなる。この事を意識して編成と運用をするだけでゲームはぐっと面白くなるだろう。

 

★一般的な戦術

ヘヴィギアはテレインを多めに遊ぶシステムなので、初期配置からあまり動かず遮蔽物を確保した芋砂射撃戦になってしまいがちだ。特に細かいルールまで把握できない初心者同士の戦いでこの状態になりやすい。
決め手にかける泥仕合に発展しやすく「この状況をどう打破するか?」が実は真のテーマといえる。
遮蔽から出た機体からやられてしまいがちなので、単純にバーンと出ればよいわけではない。

 

この状態を脱するには運用と編成をマッチさせて対応ができる。しかし、どういった戦い方を好むかは各人の好みにも影響するので自分にあった方法を模索してみよう。

よくある問題点①「初期配置の遮蔽物から出るに出られず打ち合いが発生する」

以下は対処方法の一例になる。

「遮蔽に隠れながら軍全体でじわじわ前進する。」一般的な解決方法で「1:相手が遮蔽物を利用できないところ」でいて「2:目標地点を自分だけが確保できる」という場所まで移動できればこちらが有利になるだろう。

「AR(装甲値)とH/S(耐久力)が高いモデルを使用する」いわゆる肉壁戦法で。装甲値が9や10などあるストライダーや戦車で前進して、隠れている敵を破壊する方法だ。また、装甲が低いモデルでも、装甲値8より高いモデルの影に隠れることで得られる味方を回避に使うディフェンスダイスボーナス+2D6を利用して一緒に前進できるかもしれない。しかし効果力の範囲兵器(フィールドモーターなど)に狙われる危険もあるので相手を見て動くと良いだろう。

「PT(パラトルーパー/空挺)部隊を使用して相手の陣地に強襲をかける」エアドロップの特殊ルールを持つ部隊だけができる特殊配置方法だ。2R目に敵の6”に入らなければ戦場のどこにでも降り立てるので、敵が隠れている遮蔽物の背後に出現して攻撃を浴びせることが出来る。しかし、必然的に敵陣のど真ん中に降下するので反撃に合いやすくリスクも高い。また、到着判定に失敗すると3R目に到着するため手遅れになることも多い。(ゲームは2Rすぎると情勢がだいぶ動いている。その間、戦場にいないために使えない部隊がいることは不利になりやすいのだ)
「RC(リコン/偵察)やステルス持ちの部隊でフランク(側面奇襲)を仕掛ける」エアドロップほど自由ではないが、戦場の側面から出現できる特殊配置方法。2R目頭に必ず到着するので安定して運用できるのが利点。前に出すぎた敵を包囲するチャンスになる。
「高所のボーナスを得る」ビルや岩山など、戦場に設定されたテレインの上に登ることで戦術的優位を得る。相手モデルより高い場所に移動すると、乗っている地形の防御ダイスと、高いところから攻撃する攻撃ダイスボーナスの両方が手に入るため相手より優位な位置取りになる。また、高所は見晴らしが良い場合が多く、地上では見えない位置にいるてきも見通すことが出来るだろう。JP(ジェットパック)やJJ(ジャンプジェット)、クライマー(登坂)などの特殊移動装置を持つモデルを生かせれば戦場を容易に3次元移動できるため高所ボーナスを得やすくなるだろう。
「地形効果を無視する攻撃を使う」フィールドモーター(*FM)やグレネードランチャー(*GL)など、AE(エリアエフェクト)+ブラスト(爆風)の特殊ルールをもつ武器は、着弾点から攻撃が発生する。またAE武器は地面にある地点を狙うことも出来る。この2つを組み合わせて使えば、地形に隠れた敵の背後の地点に砲弾を叩き込んで地形防御効果を無視できるようになる。また火炎放射器(*FL)のもるスプレーの特殊ルールも地形防御ボーナスを無視できるので上手く使えば相手を地形から引きずり出せるかもしれない。ただしどちらも基本の命中値があまり高くない攻撃なので「そにいると攻撃するぞ」という圧を与える感じで使うことになるだろう。
「正面突破にかける」移動力を生かして正面突破で駆け抜け、敵の裏側に回り込む。大抵のモデルは移動力と耐久力が不足しているため、この方法は推奨できないのだが、CEFのホバー戦車など、火力、装甲、機動力を兼ね揃えた兵器は反撃覚悟で正面が可能だろう。ただしホバー戦車は接近戦に弱いため、突っ込むには相手を見てからのほうが良い。

 

これらの対策の成否は対戦相手で大きく異なり、揃えたモデルや編成次第で大きく変わるので一様に言えないだろう。同時にあなたの編成の自由さにつながる点でもあるので、どうやって隠れた相手を破壊するか?の方法と、相手がしてきた場合にどうするか・野対策などを閑雅ながら編成するのはとても楽しい時間を提供してくれる。
目的が縛られている分、そこにどう至るかを編成段階から考えるのはとても楽しい。編成に関してはこのブログにいくつか記事があるのでそちらも参照してくれると嬉しい。

 

★武器の選択と役割
モデルは複数の武器を持っているだろう。命中精度や攻撃範囲などに違いはあるが、これらの武器は大きく分けて3つの役割がある。1つはギア同士の戦闘を想定して装備されている汎用性の高い武器だ。オートキャノン(*AC)やアンチビークルロケット(*RP)がこれにあたる攻撃力はそこそこだが使いやすさが重視された武器だ。2つめは対人用の武器。マシンガン(*MG)やアンチパーソナルグレネードランチャー(APGL)で、攻撃力は無いに等しいがインファントリー属性を持つモデルに対して有効なダメージを与えることが出来る武器だ。(→インファントリー属性を持つ歩兵はあまり危険度がない兵種だが排除するのが難しい)。3つめは対重装甲を破壊するための武器でアンチタンクミサイル(*ATM)やバズーカ(*BZ)などだ。これらの武器はAP:x(装甲貫通)の特殊ルールが設定されていて、高い防御力(AR9~12)を誇る重装甲目標へのダメージ蓄積を可能にする。

ヘヴィギアの武器射程は総じて36”くらい届くので4’x4’の戦場に対して長めであるためどこにいても攻撃が飛んでくる可能性がある。長距離武器はこれより射程が伸びるが、遮蔽物が多い戦場セッティングで遊ぶゲームのため、射程を活かすには工夫がいるだろう。しかし、実際には遮蔽物の防御ボーナスの関係上、相手があまり防御できない場所から攻撃すると12”~18”くらいの距離間での戦闘が多くなる。
射程と攻撃力が大切なのはもちろんだが、武器トレイツ(特徴)は武器に大きな特徴を付与し、選択の指針に影響を与えるだろう。
以下に有用な特徴名と用途、武器名などを並べてみる。自分にあった武器探しの参考にしてほしい。

「バースト:x」この特徴を持つ武器は命中判定のダイスをX個追加してくれる。とても使いやすい武装だ。
オートキャノン(AC)やロータリーキャン(RC)に代表される標準的な武装についており、無難で使いやすい。

「AE(エリアエフェクト):x」この特徴を持つ武器は広範囲に攻撃を及ぼす武装だ。一般的に命中力が低く、攻撃力が高めに設定されている。
群れている敵に牽制を加えるだけでなく、ラッキーヒットがでれば大きな打撃も期待できる。
注目すべきはこのエフェクト範囲は「半径」インチである点。つまりAE4″の武器は直径8”なつかしのLDディスクもびっくりな攻撃範囲を持つのだ。
ロケットパック(RP)、アーティラリーロケット(AR)、フィールドガン(FG)などがこの系統の武装だ。

「ブラスト」これはAEの武器に付与される追加特徴だ。この攻撃の発生源は着弾点となるという特徴で、上手く使えば敵の遮蔽効果を無効化しやすい。
一方、センサーでロックオン使用できないケースが多く、偵察機との連携などで標的をうまくセンサーレンジに捉える必要がある。
グレネードランチャー(GL)、アーティラリーガン(AG)、フィールドモーター(FG)などがこの系統の武装だ。

「AP:X(アーマーピアッシング)」この武器は重装甲(AR9以上)のモデルに有効な貫通能力を持つ。
この武器はたとえ攻撃力が不足してダメージが与えられない状況でも、命中差を生かして少しの削りダメージを与えられる。
バズーカ(BZ)、レールガン(RG)、アンチタンクミサイル(ATM)などがこの系統の武装だ。

「ガイデッド」:少し使い方が難しい誘導兵器だが、この武装を上手く使えるようになれば初心者卒業だ。
ガイデッドを使う場合は「TD:X(ターゲットデザイネーター)」というレーザー照射型砲弾誘導装置を装備した偵察機と必ずセットで運用される。この武器はTDを装備した偵察機のFO(フォワードオブザーベーション)で射撃すると、命中精度が急上昇する。
アンチタンクミサイル(ATM)、ガイデッドモーター(GM)などこのルールが使える武器はさほど多くない。

「プレサイス」:狙撃能力。高機動の回避能力を持つアジャイル機体に有効。一般的に射程も長く威力も高めだ。地味にだいじなやつ。
ライフル(RF)、レーザーキャノン(LC)などがこの系統の武装だ。

 

★機体の選び方
機体にはその運用イメージ合わせたUA(ユニットアヴェイアリティ)が与えられている。UAごとの運用イメージは以下の通りだ。

GP(ゼネラルパーパス/汎用部隊):低コスト頭数で戦線確保。戦闘力も生存能力も低めなので安全第一で運用。ダメ元で突出した偵察機を狙え!
SK(ストライク/強襲部隊):攻守のバランスの取れた量産機。機動力を生かして前線を押し上げるが装甲に難がある。
FS(ファイアサポート/火力支援部隊):移動力より装甲と攻撃力を拾った部隊。攻撃力が高めの武器を複数装備しており状況に分けて使い分けできる。
RC(リコン/偵察部隊):機動力全ブリ。センサーとECMを使用してで敵を妨害したり、前進して敵をセンサーロックして友軍に攻撃指示を出す。縁の下の力持ち。
PT(パラトルーパー/空挺部隊):敵陣地に降下する強襲部隊。敵の背後を付き戦場を撹乱できる反面、生存率が低い諸刃の剣。
SF(スペシャルフォース/特殊部隊):側面奇襲を仕掛けるステルス機。性能時にはSK部隊に近いが、ステルスを活かせれば生存率を挙げられる。ヴェテラン機なので判定のリロールが可能。
IN(インファントリー/歩兵):対人用兵器で攻撃されなかればしぶとく生き残る。確保に特化した部隊。ふりかけの一種。
CV(キャバルリー/機甲部隊):軽装甲だが機動力のある装甲車両。メインは張れないが確保や火力支援の添え物て優秀。
LT(ライトタンク/軽戦車):重装甲だが運用が難しい戦車。足が遅いので自軍陣地の防衛に向いている。火力も装甲も高い。
ST(ストライダー/歩行戦車):ギアと戦車の中間存在。運用はFS寄り。使い方がはっきりしているぶん汎用性は低い。

 

★機体の特徴
UA以外の選択基準になる。機体の装備や特徴。
以下の特徴を持つモデルは使い勝手が良いモデルかもしれない。

【Agile:アジャイル/機敏】判定結果の「同値命中」の攻撃判定を「同値回避成功」にする。地味だがじわじわ有効。
【Brawler:X:ブロウワー/白兵戦仕様】白兵戦の攻撃と防御のダイスが増える。ややロマンより。
【Climber:クライミングイクイップメント/登攀装備】移動力に等しい分だけ垂直方向への移動が可能になる。
【Comms:X:コムズ/通信強化】通信判定が自動成功する。偵察機や指揮官機に有効。
【ECM:X:エレクトリックカウンターメイジャーシステム/電磁妨害装置】直接戦闘力はないが、専用アクションで妨害や支援など幅広く活躍するサポート系装備。
【Field Armor:フィールドアーアマー(外部装甲)】重装甲のモデルが装備するとめちゃくちゃ有効。
【Init:X:イニシアチブ/機先】総指揮官機だった場合イニシアチブダイスが+Xされる。地味に大事。
【Jetpack:X”:ジェットパック/ジェット推進装)】短時間飛行できる。直線的だが、垂直&水平方向へ特殊移動ができる。
【Jump Jets:X:ジャンプジェット/高度調整ジェット】移動時にある程度の高低差を無視できるようになる。
【Shield:X:シールド/防盾】正面からの攻撃に対して回避ダイスが増える。つよい。
【Vet:ベテラン/熟練兵】判定のリロールができるようになるスキルポイントを1点える。つよい。

上記の要素を考えながら有機的に組み合わせた編成が可能になる。

 

 

以上でヘヴィギアがどんな感じのゲームなのかの説明を終了する。興味を持ったらルールブックをダウンロードしてデータを眺めてみるのもよいだろう。こちらの記事も参考にしてほしい。

ヘヴィギアルール怪文書PDF

 

プレイ人口が増えるといいな~と思いこの記事を書く。

サウスSRA戦車編成vsブラックタロンBTIT対戦車編成 300TV戦

ヘヴィギアの戦術研究

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