【Tips】フォーワードオブザーベーションとインダイレクトウエポン

今回は特殊なアクションの使い方フォワード・オブザーベーション(偵察部隊が前線に出て敵を観測する行為)略してFOの使い方を説明しようと思います。
ヘヴィギアのFOは、偵察をしたモデルの視界を使用してインダイレクトファイア攻撃(曲射砲撃)を行う選択肢です。


★FOとは何か?
一言で言うなら通信アクションです。何を通信するかというと、遠隔攻撃に備えている味方に正確な攻撃座標を知らせます。
この遠隔攻撃のことをチェインリアクションで使用するインダイレクトファイア攻撃と呼びます。

アクティブモデルが起こした行動に、パッシブモデルが対応することをチェインリアクションとよび、味方の起こしたFOに呼応してインダイレクトファイアで攻撃するのでこのように長い呼び方になります。
(チェインリアクションは他にも、攻撃されたときに反撃する「スナップファイア」や敵の通信を妨害する「アクティブECM」などがあります。)
◇FOへのチェインリアクション
FOを利用してインダイレクトファイア攻撃をする場合、攻撃モデルは必ずチェインリアクションを行います。
チェインリアクションは特殊なアクションの使用方法で、「きっかけになる行動」に呼応して同時解決する割り込み式の行動になります。

・未行動のモデルがチェインする場合は簡単で、「アクション使用済み」トークンの受け取ることでこの行動に参加できます。アクションを使用したモデルは、自分の行動順番が来たときに残りのアクションを使用できます。もしアクションが0になっていてもポースチャー(行動選択)と移動が可能です(もし残りのアクション値が0でもトップスピードで移動できます)。

・もう一つの方法はスタンドバイトークンを消費する方法です。偵察モデルより先に動くモデルがチェインリアクションをしたい場合は「待機(スタンドバイ)」アクションを選択する必要があります。待機は「ブレイスド」と「コンバット」のポースちゃ~選択時にしか選択できません。また、待機を選択するとモデルのアクティベーションは終了して、スタンドバイ(待機)トークンを受け取ります。ブレイスドポースチャーを選択して待機した場合、待機中のモデルはブレイスドの状態が維持されます。つまり、このモデルにスタンドバイトークンを持っている間、「すべてのアクション判定に+1D6」「防御判定に-1D6」「Agire(アジャイル)の能力を失う」という3つの状態になります。

いずれの方法も、インダイレクトチェインリアクションをするためには、このラウンドの間まだ使用されていない武器を選択しなくてはなりません。メレー(白兵戦)カテゴリー以外の武器は、1ラウンドに付き1回しか使用でき無い点に注意しましょう。(放熱が必要だったり、マガジンをリロードする必要があるからです。)

 

1回のFOにつきチェインリアクションに参加できる回数は1モデルに付き1回までです。モデルに複数の武器とアクションがある場合でもどれか1つしか使用できません。
1回のFOに参加できるモデルの数は原則として1機までですが、参加モデルがを増やす例外が2つあります。

例外1:FOを行うモデルの通信装備が良いものを持っている場合。FOを行うモデルにComms:2の能力がある場合、2機が参加できます。通信機の性能が良いので2機動時に正確な座標を送れるというイメージです。詳しくはルールブックp43 14章で紹介されています。

例外2:FOを受け取るモデルが、砲撃に参加するグループの指揮官機であった場合。指揮官が砲撃を行うときに、フォーメーションにいる部下も一緒に砲撃に参加できます。指揮官の指示に従って皆で同一箇所を砲撃するイメージです。詳細はp43の14.1cの項目を参照してください。

チェインアクションは全て同時に処理がされます。偵察機が破壊されてしまったり、砲撃するモデルが反撃でダメージを受けるようなことがあっても、同時に解決されるためにそれらの事柄は加味されません。

 

【手順まとめ】
①インダイレクト攻撃をしたいモデルをスタンドバイ(待機)させる。
移動する場合はコンバットポースチャーを使用すること。トップスピードポースチャーを選択してしまうとスタンバイできないので注意。
未行動のモデルでチェインリアクションをする場合は、この手順はなくても良い。

②FOしたいモデルで最適な場所に移動する。FOにはセンサーロックが必要なので、センサーのレンジに注意すること。必要に応じてアクティブセンサーを宣言しておくと良い。
移動する場合はコンバットポースチャーを使用すること。トップスピードポースチャーを選択してしまうとFOできないので注意。

③FOモデルのセンサーレンジから、攻撃したいモデル(またはポイント)を指定してEWスキルの判定に成功すること。
このときComms:Xが1以上あれば(※敵のECM装備でこの数値が0になってしまうことがある)判定に自動成功する。

④FOをするモデルをセンサーロックしている敵モデルは、スナップファイアを宣言できる。

⑤ECMを持つ敵モデルはFOへチェインリアクションを行いをアクティブECM(通信妨害)を宣言できる。この場合はEWの対抗判定になる。
スキル判定に成功し、かつ対抗判定に勝利しないとFOは成功しない。

⑥FOが成功したら待機中のモデルがスタンドバイトークンを1つ消費してチェインリアクションを宣言する。
未行動のモデルもアクション使用済みトークンを1つ受け取ることでチェインリアクションを宣言できる。

⑦攻撃モデルはFOをしたモデル化、自身の視界を利用してどちらか良い方の「遮蔽」「背後」条件で射撃できるようになる。

⑧攻撃されたモデルは、チェインリアクションで攻撃したモデルに対してスナップファイアを宣言できる。

⑨スナップファイアと攻撃判定はすべて同時に解決する。(処理が全て終わってから終わってからダメージや状態異常が適用される)

 

 

★FOを利用してインダイレクト攻撃をする利点
・インダイレクトウエポンの利点
インダイレクトウエポンは広い攻撃範囲を持つAE:Xの特徴を持ち、武器のPEN(攻撃力)も8を超える性能を持っているものが多くあります。広範囲に大ダメージを期待できる武器です。
補足:武器の攻撃力は8以上になると安定したダメージを期待でき、10を超えるようになると頼もしい攻撃能力を発揮します。

 

・遠くへ攻撃ができる
インダイレクトで攻撃する武器はセンサーロックをしないと攻撃できません。
インダイレクト武器は72”を超える長射程のものもありますが、通常自分のセンサーレンジは最大24”までしか届かないため、その超射程を活かす機会がありません。
しかし、FOを利用すれば自分単体では捉えることができない敵へも攻撃できるようになります。

 

・パッシブモデルがブレイスドポースチャーの命中補正を使用できる
FOを利用する前に、事前に砲撃モデルをブレイスド状態で待機させておくことで、1D6の命中補正が期待できます。ガイデッド(誘導)の特徴を持つ武器で攻撃する場合、この修正は大きな意味を持ちます。

 

・FOモデルの視界を使用できる
この攻撃はFOを行ったモデルか、砲撃をするモデルのどちらか良い条件のものを使用できます。
地形の数が少なかったり、目標の背後をとったりすることでより命中の期待できる条件で攻撃できます。

 

・ガイデッド(誘導)の特徴を持つ武器を活かせる
これはFOをするモデルがターゲットデザイネーター(TD/誘導照準装置)という装備を持っている必要があります。
偵察機はFOをすると同時に、TDをつかって誘導レーザーを飛ばします。ガイデッド特性のある武器がこの誘導レーザーの位置に飛んでゆきます。
このためTDは攻撃対象になるモデルがフルカバー(完全に見えない状態)では威力を発揮できないことに注意してください。
ガイデットが成功すると、「距離による命中修正が0になり」、さらに、使用したTDのランク応じて「命中修正+0~2D6」になります。このため最高の条件で発射された誘導武器の命中ダイス数は6Dを超える場合があります。
(TDの数値、背後ボーナス、ブレイスドポースチャー、ステイブルなどの特徴効果)

 

・だれでもFOができる
通信機(Comms:x)を持たないモデルでもFOの発信源になれます。偵察モデルではない歩兵や量産機でワンチャンスを狙うこともできます。

 

・貫通できない地形の裏にも攻撃できる
武器が貫通しない「ソリッド」属性の地形を無視して砲撃できます。「ソリッド」の屋根の下にいないモデルならば、射程内のどこにでも攻撃できるでしょう。

 

 

★FOの欠点
・余計な手数が必要になる
編成の段階で偵察用の機体を導入しなければならず余計なコストがかさみます。そのうえ、運用上も2手必要になってしまうので、大きな結果が期待できる半面、まどろっこしい感じになっています。

 

・センサーロックしないと使用できない
FOにはセンサーロックが必要になります。センサーレンジに入るように移動する必要があります。ステルスしているモデルやインファントリーはセンサーロックに必要な距離が悪くなるので直接センサーロックすることは難しいでしょう。(しかし、上手く地面のポイントを狙えば攻撃範囲に捉えることが出来るでしょう。)

 

・判定が必要
Comms:xの特徴を持っていなかったり、一時的にCommsの性能が低下している場合、EWスキルを使用した通信判定が必要になります。大抵のモデルはEWスキルが悪いため判定が成功しにくいでしょう。
また敵のECM搭載機が「アクティブECM」のリアクションでこの判定を打ち消しに来るかもしれません。

 

・命中率が悪い
ガイデッドを使用しないインダイレクトファイアの射撃は命中率が非常に悪くなります。当たれば大きいのですが、砲撃位置が悪いと簡単に回避されてしまします。

 

・攻撃判定のリロールができない
インダイレクトアタックの判定はリロールできない。

 

・高所のボーナスがもらえない
インダイレクトカテゴリーの攻撃は高所による命中ボーナスが入らない。

 

・リンクの特徴が使用できない
チェインリアクションで攻撃するもではパッシブモデルなので、ANNやLinkなどのアクティブモデルしか使用できないボーナスを利用できない。

 

 

★バリスティック(直接射撃)とインダイレクト(関節砲撃)の比較
使い勝手から考えるならば「見えたら撃てる」バリスティックウエポンが圧倒的に使いやすいでしょう。
バリスティックウエポンには命中を助けるバーストの能力や、正確な狙撃を行うプレサイスの能力など何かしらの補助能力を持っており、素直な使い方ができます。

では、インダイレクトウエポンの利点は何でしょうか?
インダイレクトウエポンは大きく分けて3タイプあります。

・広範囲に攻撃力の高い弾薬をばらまく「AE(エリアエフェクト)」タイプ。
命中力は低いものの、手軽に大ダメージを期待できる攻撃方法です。偵察機の位置が重要で、いかに遮蔽に隠れていない目標を狙うか?が重要な要素になります。単純だけに一番戦場に左右されるので使いにくいかもしれません。

・着弾点から爆発し限られた範囲に爆風でダメージを与える「AE+ブラスト」タイプ。
着弾した場所から攻撃が発生するので、地面を指定するポイントアタックを使うことで、地形の状況に左右されることなく敵に打撃を与えられると思います。

・TDで誘導が可能な高い命中力を誇る「ガイデッド」タイプ。
発動条件が厳しいものの、高い命中力で発射される高火力の攻撃は高いダメージが期待できます。特に誘導される対戦車ミサイル(ATM)は高い貫通性能を持つのでAR9を超えるような大型モデルを狙うのには最適な攻撃手段であると言えます。
TD誘導で発射されるミサイルはインダイレクトウエポンとして扱われるので、高所のボーナスがもらえず、リロールができない点に注意。

このように、それぞれ特徴が違うので用途に合わせて使用できるようになると戦術に幅が生まれます。

 

★相性の良い特徴や能力

・FOをするモデルが持っていると良い特徴。

【Comms:x】通信装置。パッシブECMの効果で0にされていなければ、FO判定が自動成功する。

【ECCM】EW判定をふりなおせる。(FOはEW判定なので振り直しができる)

【TD:x】レーザー誘導装置。ガイデッドデッドの特徴を持つ武器でインダイレクトファイアをする場合、命中補正(適正距離-1D6/最大射程距離-2D6)の効果をなくす。さらに、プライマリターゲットには+xD6の命中ボーナスをが加算される。

【EWスペシャリスト】ベテラン専用アップグレード。EW判定に+2D6のボーナスが入る。当然FOの判定にも補正が入る。

 

・チェインインダイレクトファイアをするモデルが持っていると良い特徴。

【Autopilot】スタンドバイ状態になるときに+1個多くのスタンドバイトークンが得られる。

【Guided】誘導式の武器。TDの効果がもらえる。

【Stable】安定した射撃装置。この特徴を持つ機体の攻撃は常に+1D6される。

 

・あまり組み合わせが良くないもの

【Stabilizer】ブレイスドポースチャーにならないと射撃できない。このためFOにチェインリアクションして攻撃するには先に行動して必ずブレイスド+スタンドバイ状態にならないと使用できない。

【Link】リンクによるスキル修正はアクティブモデルしか利用できない。(FOにチェインするのはパッシブモデル)

【ANN】アドバンスドニューラルネットワークによるスキル修正はアクティブモデルしか使用できない。(FOにチェインするのはパッシブモデル)

 

補足:FOは行為。TDは装備。Guidedは機能。TDを装備したモデルがFOすると、Guidedの効果が機能する。

 

★応用編
ここからはFOを使用できない状況でもインダイレクト武器を上手く使う方法の紹介をします。

>AE+ブラストタイプならばアクティブセンサーを使え!
アクティブセンサーは24”までしか視界に捉えることはできませんが、前に出てきて地形の奥に隠れている敵の偵察機を狙うのに適した攻撃方法かもしれません。
隠れている敵の後ろや真横を狙って攻撃すれば、敵は地形効果が使えず2D6の防御判定。こちらは1D6しかふれなくても、出目で打ち勝てば戦況を変える力を持つだろう。

 

>センサーブーストを利用する
センサーブーストはフォーメーション内にいる味方モデルのセンサーレンジを使用する方法です。
Sensor:X”の特徴を持つ、センサーレンジを強化されているモデルを同じコンバットグループに配備すれば、フォーメーションに入ることでそのモデルのセンサーロック情報を利用した攻撃ができるようになります。少し難しいのですが、衛星通信のSatUPと上手く併用することでFOのような使い方もできます。

 

>ミサイルは直接撃て!
ガイデッドが使えない状態でもミサイルは魅力的な攻撃手段だ。12”-36”の適正距離で使用するならミサイルの直接攻撃はバズーカーよりも効果を出す。
(ミサイルを直接攻撃する場合、リロールが出来るし、高所ボーナスも使える)

 

 

 

★まとめ
結論から行くとFOは必ず必要な攻撃ではありません。
しかし、

・「FOをするモデル視界で攻撃ができる」(背面と遮蔽物のコントロール)

・「TDの効果を使用できる」(ガイデッド武器を活かせる)

この2点は大きなアドバンテージになってあなたの戦術を大きく前進させてくれるでしょう。

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